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ブックメーカーの仕組みとは?オッズ計算の根拠や還元率の解説と勝つための考え方

ブックメーカーの仕組み(どうやってオッズを作っている?)

スポーツベッティングをしている時、この賭けはなぜこの倍率なのだろう?と疑問を持ったことはないでしょうか?

例えば、サッカーで「来週のJリーグ、横浜vs川崎は横浜3.60倍、ドロー3.40倍、アウェイの川崎は2.00倍ですよ!」と、あるブックメーカーは提示しているわけですが、この数字の根拠は何なのか?

そして、ブックメーカーは私たちプレイヤー(顧客)の賭けを受けるという商売で、どうやって儲けているのか?

これらのことに深く突っ込んでいくと、単に疑問が解消して知的好奇心が満たされるだけでなく、スポーツベッティングで長期的に勝つためのヒントが見えてきます。

そこでこのページでは、ブックメーカーはどうやってオッズを作っているのか?何を根拠に倍率を設定するのか?どうやって儲けているのか?マージンとは何か?還元率や期待値とは何か?について、そしてそれらの知識をスポーツベッティングに生かす方法をできるだけ噛み砕いてまとめました。

すでに始めている方はもちろん、まだプレー前の方も参考にご覧ください。

ブックメーカーオッズの仕組み

まず再確認しましょう。ブックメーカーは、プレイヤー達にギャンブルの機会を提供し、オッズを用意し、賭けを受け付け、賞金を払い戻し、利益を得ています。

つまり、この一連の流れのなかに儲けのカラクリがあるということですね。

大手ブックメーカーの一つ「ウィリアムヒル」は、2016年に2000億円以上の売上を出しました。もしも、「プレイヤーの負けた分が利益」という単純なビジネスモデルなら、会社全体で15000人もの従業員を雇い、ロンドン証券取引所に上場するような巨大企業に成長することは不可能です。彼らのビジネスが、何らかの根拠を持って収益を得ていることは明白です。

「負けた分が利益」であれば、自身もギャンブルをしているのと変わりませんし、「プレイヤーが大勝ちしたら、そのまま損失になるのでは?」と、素人でも分かります。

では、どうやっているのか?

ブックメーカーの行為を分解して基本的な仕組みを理解するために、一旦コイントス(コインの表裏を当てるゲーム)をイメージしてみてください。

オッズとは何か?確率とオッズの違い

ブックメーカーオッズの仕組みをコイントスで説明

そもそもオッズとは何か?

言葉としての「オッズ(Odds)」は、ギャンブルや確率論、統計学のなどの世界でそれぞれ違う意味合いを持って使われています。

確率とオッズはよく混同されるのですが、確率とは「ある出来事に対して、起こりうるすべての結果のなかで、特定の結果が起こる可能性」を示す数字です。

一方でオッズは「ある出来事のなかで、特定のある結果が起こる確率に対する逆数=起こりにくさ」を示す数字とされます。

難しい話は抜きにして、具体例を見ていきましょう。

最初に補足として、日本の競馬では「オッズ=レース後の賭け金の払戻し倍率」を示すものとして使われていますが、日本の競馬とブックメーカーは根本的にシステムが違うギャンブルであるため、そのイメージは一旦忘れてください。

例えば、ある出来事をコイントスとするなら、コインを投げたあとに起こる結果は「表」「裏」という2つの可能性があります。(奇跡的にコインが立つことは除外するとして)

この場合、表が出る確率、裏が出る確率はそれぞれ50%です。全体(100%)のなかの表50%、裏50%。簡単な話ですね。

この「表」と「裏」の確率をオッズに換算すると、100% ÷ 50% = 2倍 (%表記を小数点の数字になおして1 ÷ 0.5 = 2)となります。

確率をそのままオッズに換算すると、すべての選択肢(ここでは2つ)に均等に賭けた際、胴元側(ゲームを提供する側)にはなんのメリットも生まれません。

例えば、鈴木さんが山田さん、佐藤さんにコイントスのギャンブルを持ちかけ、「当てたら2倍だよ」と提示するとどうなるでしょう。

山田さんが表に1万円、佐藤さんが裏に1万円賭けると、鈴木さんには1円も残りません。

山田さん 表に1万円賭け
佐藤さん 裏に1万円賭け
鈴木さん 合計2万円預かり

結果が表だった場合

山田さん 当たり 1万円x2倍=2万円
佐藤さん はずれ 賭け金没収
鈴木さん 預かり無し

結果が「裏」なら佐藤さんが勝つだけで、鈴木さんにとっては同じです。

また、賭け金が同額ではないと、短期的には鈴木さんの財布もマイナスやプラスになる可能性が生じます。言い換えると、ギャンブルに巻き込まれることになります。

しかし、確率をそのままオッズに変えてゲームを繰り返す限り、最終的には全員の収支がプラマイゼロに近づいていきます。

このような、確率どおりのオッズのことをギャンブルの世界ではトゥルーマーケット(True Market)、トゥルーチャンス(True Chance)、100%マーケットなどと呼びます。

さて、ここで鈴木さんをブックメーカーのような「儲けを考えている業者」だとして、自分達に何のメリットも無いのにトゥルーマーケットのギャンブルを持ちかけるでしょうか?

「ギャンブルは胴元が儲かる」という負け惜しみの捨てゼリフがありますが、実際にどんなギャンブルでも理論上・計算上は必ずそうなっています。

ブックメーカーも例外ではありません。

彼らが提示しているオッズは、確率をそのまま換算したトゥルーマーケットではなく、すべて調整がかかっています。

マージンが利益のカギ

例えば、鈴木さんがコイントスのオッズを2倍から1.9倍に下げたら、結果は以下のようになります。

山田さん 表に1万円賭け
佐藤さん 裏に1万円賭け
鈴木さん 合計2万円預かり

結果が表

山田さん 当たり 1万x1.9倍=19,000円
佐藤さん はずれ 
鈴木さん 1000円儲け

二人がもう一度同じように賭け、今度は結果が裏なら

山田さん はずれ 
佐藤さん 当たり 1万x1.9倍=19,000円
鈴木さん 1000円儲け(累計2000円)

鈴木さんは2回のゲームで1000円ずつプラスを得ました。

このように、1.9倍に変えると鈴木さんは結果に関わらず1000円ずつ儲かっていきます。

的中時の倍率を「2倍→1.9倍」にすることは、言いかえると「預かった賭け金トータルよりも支払う賞金が小さくなった」ということで、その差が鈴木さんの儲けです。

この差の割合のことを、ギャンブルではマージン(Margin)コミッション(Comission)、またはジュース(Juice)ビゴリッシュ(Vigorish、略してVig)、あるいはハウスエッジ(House Edge)などと言います。

このコイントスのマージンを計算してみましょう。

計算式は (1 ÷ 表のオッズ) x 100 + (1 ÷ 裏のオッズ) x 100 で、オッズがトゥルーマーケットの2倍だと以下のようになります。

(1 ÷ 表のオッズ2倍) x 100 + (1 ÷ 裏のオッズ2倍) x 100 = 100%

このように100%となりました。これがトゥルーマーケット状態。続いて1.9倍へ変更後の数字を計算してみると…

(1 ÷ 表のオッズ1.9倍) x 100 + (1 ÷ 裏のオッズ1.9倍) x 100 = 105%

今度は105%となりました。

この100%を超えた分が鈴木さんの取り分。

マージンは5%で、賭け金の総額に対して必ず5%は手元に残ることを意味します。

ここでの例なら、1回のゲームあたり2万賭けてもらって、儲けが1000円。ちょうど5%になっていますよね。

還元率(払戻し率)とは

反対に、山田さんと佐藤さんの立場からみた「このギャンブルで、賭け金総額から自分たちに戻される割合」は、1を105%で割ると計算できます。

1 ÷ 1.05 = 95%

この数字を、還元率(払戻率、ペイアウト率、回収率も同じ意味)と言います。

2人が賭けた2万円が19000円になって返ってくるので、19000 ÷ 20000 = 0.95、ちゃんと95%ですね。

では一度、ブックメーカーオッズでマージンを実際に確かめてみましょう。

以下は、2018年の3月におこなわれたテニスの「大阪なおみvsセリーナウィリアムズ」のオッズです。

2018WTAマイアミオープン1回戦
セリーナ・ウィリアムズ 2.05倍
大坂なおみ 1.76倍

当サイトに設置しているスポーツベッティング計算機で、回収率を計算できます。100%から回収率を引いたものがマージンです。

ブックメーカーオッズ回収率の例

このオッズを計算機に入力すると、94.698%と出ました。

100% - 94.698% = 5.302%がマージン率。

2.05倍と1.76倍を比率に換算すると約46.2%/53.8%です。つまり、セリーナの2.05倍に賭け金全体の46%、大坂の方に53.8%という分布になれば、このオッズを出していたブックメーカーは、結果に関わらず賭け金総額の5.3%が手元に残ります。

これが、ブックメーカーのビジネスモデルの基礎部分。

勝敗予想もスコア予想もハンディキャップも、すべて必ずマージンが設定されています。試しに色々ピックアップして、計算機に放り込んでみてください。

マージン率は、ブックメーカーごと、試合ごと、賭け方ごとに違います。しかし、いずれにせよ数%は設定してあり、還元率が100%を超えることはありません。(ただし、片方に先に賭けておいて、あとでもう片方のオッズが動いた時に組み合わせて計算すると、100%を超えていることはあります。この点についてはブックメーカーの還元率の話で触れています)

ある出来事、例えば「野球のこの試合はどちらが勝つか?(延長の決着含む)」という切り口なら、起こりうる結末は「ホーム勝利かビジター勝利」の二つです。そのためホーム勝利もビジター勝利も起こる確率は本来50%ずつ、トゥルーマーケットならオッズは2倍になるはずですが、ブックメーカーのサイトではそうなっていません。

巧妙に調整され、試合結果に関わらずマージン率の分だけ儲かるようになっています。サッカーのホーム/ドロー/アウェイなら、正味の確率は33.33…%でオッズ3倍が"真っ当"なはずですが、そのようなオッズを見つけることはないでしょう。

コイントスのように確率が明確ではないのにどうやって計算している?

さて、ここまでの説明で、ブックメーカーオッズの背景にある重要な要素「マージン」についてはなんとなくイメージできましたか?

ブックメーカーに限らず、この原理はほとんどすべてのギャンブルに当てはまります。つまり、基本的に「確率よりもオッズが小さい。賭け金総額よりも支払う賞金総額が少ない」という仕組みがあるから、ギャンブルの胴元は運営費用を稼ぎ出し、ギャンブルの機会提供というビジネスを続けることができるわけです。

少し話が逸れますが、分かりやすい例をひとつ。

カジノのヨーロピアンルーレット(1~36までの数字と、ゼロが一つのタイプのルーレット)で、次の目が0~36までのどの数字になるのかをピタリと当てる賭け(ストレートベット)のオッズは36倍です。

しかし、ゼロを含めて選択肢は37通りあります。よって、オッズが37倍あれば100%マーケットと言えるのですが、36倍のためそうなっていません。計算式に当てはめると還元率は97.2%、つまり2.7%のマージンが内臓されています。

仮に0~37までの全てに1万円ずつ賭けたら、37万円使って賞金は36万円。36 ÷ 37 = 0.972 = 97.2%です。

もしも、プレイヤーがまんべんなく賭けて長時間ゲームを繰り返していると、やがて「大数の法則」にしたがってカジノ側は賭け金の総額の2.7%だけ儲かっていきます。

ただ、ブックメーカーはどうでしょう?

コイントスの例でマージンのことを説明しましたが、このゲームでは「裏と表の確率が半々だ」ということは明白ですよね。同様に、カジノのルーレットも、操作されているかも?という疑惑を除けばどこに落ちるかは完全な偶然によるもので、すべての結果が均等に37分の1の確率です。

しかし、スポーツは?

先ほどの大坂なおみvsセリーナ・ウィリアムズは、生じる結果は「大坂が勝つ」「セリーナが勝つ」の二つで50%ずつの確率です。でも、10回100回試合したら5回50回ずつ勝つはずだとは言えないですよね。

コンディション、経験、精神状態などを総じた実力、会場の天候、その他複雑な要素が絡んで結果に影響を与えます。もちろん、偶然に左右される部分もあります。「運も実力のうち」ですから。

それでも、コイントスとは違って結果にはあきらかに運以外が関与します。オッズが1.76倍と2.05倍とアンバランスだったのは、その運以外を考慮しているからなのでしょうか?

ブックメーカーにとって重要なのは「損が出ないように調整すること」

18世紀末にイギリスの競馬場でブックメーカーのビジネスが誕生した際、胴元は「どの競走馬が勝つか」にオッズを出して、的中者に払戻しをおこなっていました。

その倍率は、胴元たちの"目利き"で設定されており、「何倍だとどのぐらい賭けられそうか?」ということも重要でした。

それは、賭け金が各馬にほどよく分散されなければ、特定の馬に大量の賭けが集まった際に自分たちが大損を食らう可能性があるためです。

誕生当初と現在において、ブックメーカーの根本的な仕組みは今でも同じで、彼らは「何倍だとプレイヤーは妥当だと感じ、賭け金がほどよく両側に揃うか」ということを考えます。

例えば、野球の巨人vs阪神という試合の勝敗オッズがどちらも2倍だとします。これはトゥルーマーケットでしたよね。

そこであるブックメーカーは1.9倍にしました。しかし、仮に10人の参加者がいて、全員が「巨人に勝つ」と考えて1万円ずつ賭けるなら、実際に巨人が勝った際には1万円 x 10人 x 1.9倍 = 19万円(実質9万円)をプレイヤーに支払わなければいけません。その9万円をどのように捻出するのでしょうか?

事前に「プレイヤーの多くは巨人に賭けるだろう」と考えたブックメーカーは、最初からオッズをさらに下げて1.3倍にしました。反対に、阪神へも賭けてもらえるように勝利オッズを1.9倍から2.8倍に変えました。

このように巨人1.3倍、阪神2.8倍にすることで、10人のプレイヤーのうち7人が1.3倍の巨人、3人が2.8倍の阪神に賭けました。するとどうなるか?

もし巨人が勝てば1万円 x 7 x 1.3倍 = 9.1万円(実質2.1万円)の支払
阪神に賭けた3人の3万円があるので、差額9,000円が残る

もし阪神が勝てば1万円 x 3 x 2.8倍 = 8.4万円(実質5.4万円)の支払
巨人に賭けた7人の7万円があるので、差額16,000円が残る

いかがでしょうか?どちらが勝っても手元に利益が残っていますよね。

ちなみに、1.3倍/2.8倍オッズのマージン率は約12%です。この例は非常に簡単なものですが、基本原理はすべて同じ。

「賭け手の心理・嗜好を汲み取って、結果に関わらず利益が残るように調整した」結果が、オッズがアンバランスである理由です。

ブックメーカーオッズ(倍率)は何を根拠に決められている?

ブックメーカーオッズの仕組み

ギャンブルの世界では、ルーレットのような仕組みを確率方式と言います。確率方式ではマージンはゲームのルール内に組み込まれているため、常に一定です。

一方、ブックメーカーのような、自分たちに儲けが出るようにオッズを適宜調整する仕組みのことを、相対取引やマッチング方式、またブックメーカー方式と言います。

ブックメーカー方式では、賭け手の嗜好や判断を考慮して運営者が最初にオッズを決めて、結果が確定するまでに賭け金を偏りに応じて損が出ないよう何度も微調整されるため、マージン率は変動していきます。

ここまでの説明で、マージンやマッチングの原理はイメージできましたか?この2つで、ブックメーカーがやっていることがなんとなく見えてきたかと思います。

しかし、まだ疑問が残りますね。そう、結局「プレイヤーがどっちに賭けそうかなぜ分かるんだ?」「最初にオッズを出すとき、何を理由にその倍率にするんだ?」というところ。

一番肝心な部分です。ここは複数の要素があります。

オッズコンパイラーの見解

一つは、オッズコンパイラー(Odds Compiler)の主観や経験則があります。ブックメーカーによってはトレーダー(Trader)やオッズメーカー(Odds Maker)とも呼ばれます。

オッズコンパイラーとは、ブックメーカービジネスにおける最も重要な専門職で、簡単に言えばオッズを作る人のこと。高度な計算知識と特定のスポーツに対する専門知識を持ち、彼らの見解がオッズに影響を与えます。また、各プレイヤーのアカウントのリスク管理や、不自然な賭けの偏りなどをチェックする役割も担います。

自社でオッズを作っているブックメーカーにはオッズコンパイラーが在籍しており、彼らがオッズを計算します。例えば、ウィリアムヒルではイングランド北部のリーズという街に専門部署があり、スポーツごとの担当者が作業しているようです。

過去の統計データ

しかし、オッズコンパイラーの"目利き"はブックメーカービジネスのもっとも原始的な方法です。現在は過去の統計データを分析し、潜在的な確率を計算してオッズの土台が作られます。

ライブベッティング(試合中の賭け)が主流となった今では、リアルタイムで動く何百もあるオッズを人の計算で矛盾が起きないように調整するのは物理的にも不可能ですから、システムが中心。ポワソン分布(Poisson distribution)やそのほかの分析手法を用いて「起こりうる確率」を計算し、その上で、オッズコンパイラーの判断がアクセント的に加わることもあります。

要するに、「この試合、このチーム、この選手にこの倍率」と導き出す主な根拠はデータ。特に直近の結果やスコア等が重視される傾向があるようです。

プレイヤーの嗜好や過去の賭け

そして、もう一つオッズに影響を与える要素は「プレイヤーがどう賭けているか?どう賭けてきたか?」というデータです。

例えば、先ほどの巨人1.3倍vs阪神2.8倍にたくさんの賭けが集まってブックメーカーがある程度の利益を出したとします。翌年の同じ対戦で、巨人のオッズが1.25倍、阪神2.8倍で、また同じように多くの賭けが集まったらどうでしょうか?

前回よりも低いオッズなのに賭け金が集まったということは、ブックメーカーは、前よりもさらに多くの利益を出せたということ。つまり、「前回に何倍オッズで、どのぐらい儲かったか」という社内の記録も用いられます。

要は、ブックメーカーはプレイヤーの好みを把握し、自分たちの利益を最大化するためにあらゆるデータを駆使しているということです。

優勝予想のような、選択肢が複数ある場合は?

では、リーグの優勝予想や大会の得点王予想のようなオッズはどうでしょう?

これらの賭けは、複数の選択肢がある中で最終的に1つが的中扱いとなります。例えば、Jリーグ(J1)の優勝予想の場合、所属チームは18チームなのでそれぞれ厳密な優勝確率は18分の1、トゥルーマーケットではすべてのチームのオッズが18倍となるはずです。

しかし実際は、リーグの開幕前だと本命チームが3~5倍前後で、大穴扱いのチームは100倍や200倍を超えていたりします。

ブックメーカーの優勝予想オッズの仕組み
(2016年のJリーグ優勝予想オッズ)

このような格差も、基本的には統計、一般的な見解、プレイヤーの賭け金の偏りを考慮した結果です。

つまり、データと知識、そして「プレイヤーも多くはこのチームの優勝に賭けるだろう」という予測に基づいて最初の倍率が設定され、実際の賭け金の動きとリーグの展開に応じて最終的にマージンが得られるよう調整が繰り返されます。

ところが、ときには想定外も生じます。

例えば、イングランドプレミアリーグの2015-16シーズンで優勝したレスター・シティというチームは、リーグ開幕前に5001倍の超大穴オッズを与えられていました。

もちろん、ブックメーカーからすると「絶対に優勝しないだろう」と見込んだ倍率です。しかし現実のものとなりました。

このときウィリアムヒルでは複数のサポーターがこのオッズに賭けていたようで、予期せぬ優勝によってプレイヤーは大勝ち、ウィリアムヒルは3億円の損失を計上したと報じられています。事前にキャッシュアウト(賭けを途中で降りて利益を確定させること)をしたプレイヤーがいたり、ウィリアムヒル側から「この利益で妥協しませんか?」と交渉を持ちかけたこともあるようで、本来は当時のレートで4億6000万円の払戻予定だったようです。

ブックメーカーの賭け、特に優勝予想のような長期的なタイプや競馬レース等では、このように判断を誤ると彼ら自身が損をします。そうならないために、他のブックメーカーで相対するオッズに賭けたり、ベット上限を低くするなど様々な方法で損失回避を試みるのですが、本件はそれでも間に合わなかったのでしょう。

また余談ですが、競馬の場合は、本命が的中するとブックメーカー側が損をするようなオッズに設定されていることが多いようです。

JRAでは考えられない事態ですが、ブックメーカー方式ではこうしたことが生じます。

ブックメーカーオッズの仕組み知識まとめ

さて、ここまでの解説でブックメーカーのオッズがどのようなものか?そして何を根拠とし、どのようなカラクリで利益を得ているかなんとなくイメージできましたか?改めてまとめてみましょう。

ブックメーカーは、統計や専門家の見識、プレイヤーの賭けの動向などを総合的に考慮し、常に自分たち(ブックメーカー側)が損をせずにマージン(手数料)を最大化できるように工夫してオッズを提示しています。

スポーツの結果はコイントスと違って「どちらが勝つか?」「どの結果になるか?」という確率をあらかじめ厳密に計算できません。

したがって、オッズはあくまでブックメーカーによる予測(で計算した擬似的な確率)を根拠としています。

しかしそれが非常に正確であり、プレイヤーの心理に沿っているから賭けがバランスよく揃い、結果に関わらずうまく手数料を稼ぎだすことができているわけです。つまり、ブックメーカーとは、スポーツやイベントの結果予想+ファンや大衆心理を把握するプロフェッショナル集団である、とも言えます。

ここで重要なのは、ブックメーカーは凄い!ということではなく、このような仕組みだからプレイヤーにも勝てる可能性が十分にあるということ。

ブックメーカーは、日本の宝くじや競馬、カジノの各種ゲームのように、絶対に自分たちが儲かるという根拠がどこにもありません。(宝くじや競馬は投票額から一定を先に徴収する仕組み、カジノのテーブルゲームはルールが確率的にカジノ側が有利になっている)

近年は技術の進化によって、私たちプレイヤーには到底不可能なデータ量を分析しています。とはいえ、ブックメーカーが100%勝つ保証はどこにもない。

あくまで、うまくオッズを出し、うまく賭けを揃え、帳尻を合わせて利ざやを抜いているだけ。だから見込み違いで大損することもあるわけで、オンライン化される以前にはプレイヤーの大勝で倒産したブックメーカーも多々ありました。

ギャンブルは「胴元が儲かる」ようになっている。それはブックメーカーも例外ではありませんが、ブックメーカーの場合、仕組みの関係上「必ず儲かる」とは言えず、プレイヤーが勝ち越せる余地がある。

それがおもしろいところ。

この知識を私たちプレイヤーはどう活かす?

最後に。

ここで知った内容を、私たちプレイヤーは賭けにどう活かすべきなのでしょうか?

オッズ=確率と誤認しない

ブックメーカーはある意味でプロの予想屋であり、プレイヤーに悟られないように儲ける天才です。彼らが提示するオッズは「非常に精度の高い未来予測」とも捉えることができるので、イベントの結果を判断する目安になり、ワールドカップやオリンピックなどの優勝予想は見るだけでも十分にスポーツを楽しむ参考になるでしょう。

しかし、倍率をそのまま確率と勘違いしてはいけません。

「オッズが低い方は確率的に勝ちやすい」と解釈して賭け続けても、徒労に終わります。

例えば勝敗予想で毎回「1.2倍」というオッズに賭けるとします。1.2倍を確率に換算すると83.333%。もし、確率どおりのオッズなら100回賭けると計算上は83.3回は当たるはずです。ただし、83.3回当たってもプラマイゼロ、84回以上当たればやっとプラスです。

ところが実際は、1.2倍のオッズに83.3%の確率が担保されていないため(トゥルーマーケットではないため)、この方法だと予想以上に早く資金は無くなります。

オッズを根拠にせず、結果に影響を及ぼすファクターを探す

試合予想で「A選手1.3倍/B選手2.8倍」という賭けなら、確かに1.3倍の方が当たる見込みは高いかもしれませんが、この数字はあくまでブックメーカーの事前予測とプレイヤーたちの賭けが反映された見込みです。

また、ブックメーカーはどちらが勝っても儲かるようにこのオッズを設定しているので、結果はどうでも良いわけです。

極論ですが、例えば選手Aはここのところ調子が良く連勝していました。一方選手Bは連敗中。そんな組み合わせだからこのオッズなのですが、選手Aは試合前に食べた果物が当たってハラを壊してしまいました。一方、選手Bは不調の理由が恋人とのケンカで、試合前に仲直りして精神状態が良くなリました。

誰もこの事実を知りません。もちろんオッズは変わらない。

試合がはじまると、選手Bが圧勝しました。

試合後、ブックメーカーは勝敗にかかわらずこのオッズのマージン率である12%前後の売上げを得たでしょう。

オッズの数字的には番狂わせの結果ですが、そうなる根拠は偶然ではなくちゃんとあったわけです。

つまり、オッズの大小をそのまま優劣と混同しないことが、本格的にスポーツベッティングで稼いでいくための一歩となります。

このような小さな情報は得難いにしても、意外なところからオッズに反映されていないような、でも結果に影響を与えそうなファクターが見つかったりします。

"スポーツ"ベッティングへ

残念ながら、大多数のプレイヤーは負けます。だからブックメーカーのビジネスは成り立ち、ウィリアムヒルは年間に2000億もの売上を生み出せるわけです。

しかし、プレイヤーと一口に言っても

「好きなチームに毎回賭けている人」
「遊びで適当に賭けている人」
「なんとなく予想を立てている人」
「分析して予想して資金管理をしている人」

では当然結果は異なってきます。

ブックメーカー相手に恒常的に稼ぎ続け生計を立てているプロベッター、または副業レベルや数万円程度の副収入をずっと得ているプレイヤーも数多くいますから、あなたもそうなれる可能性が十分あります。

そのために、オッズの仕組みを知り、オッズに惑わされず、「なぜこの試合にこのオッズなんだ?」という視点をもって予想を立て、狙うオッズの選定を。ブックメーカーを使ったスポーツギャンブルはスポーツベッティング(Sports Betting)、その言葉のとおり、賭ける対象であるスポーツをよく知ることが肝心です。

ここでまとめた知識に基づいた戦略やヒントもまだまだあるので、別ページにてまた詳しく解説します。また、稼ぐことを目的としてスポーツベッティングに取り組むのなら、ブックメーカー投資とは?のページもプレーの参考にお役立てください。

ということで、かなり長くなってしまいましたがここまでお読みいただきありがとうございました。

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