ブックメーカーではクリケットに賭けることができます。日本ではクリケットの知名度は決して高いとは言えませんが、英国やオーストラリア、ニュージーランド、南アフリカでは夏に最も注目されるスポーツの1つであり、またインドやパキスタン、バングラディッシュ、スリランカ等では国民的スポーツとなっています。これらの国に住んでいるなら、その人気は日々の暮らしのなかでも体感しているでしょうか?
このページでは、クリケットのルールの概要やブックメーカーにおけるクリケットベッティングの詳細(賭けられるリーグや大会、オッズの種類など)を解説しています。はじめる前の参考にお役立て下さい!
このページの内容
クリケットはどんなスポーツか?
クリケットは世界の多くの国でプレーされている非常に人気のあるスポーツです。特にインドでは国民全員がプレーできると言われるほど普及率が高く、プロリーグのプレミアリーグ(IPL)はクリケット界の最高峰リーグとされています。起源はイギリスで、上流階級の社交の場としての側面があり、別名「紳士のスポーツ」と呼ばれます。一試合のプレー時間が非常に長く(伝統的な試合形式では最長5日。1日ごとに時間を区切りって対戦)、社交的側面の名残として今でも試合中にランチタイムやティータイムが設けられ、その時間中は選手も審判も談笑を交わします。
クリケットのルールの概要
クリケットをまったく知らないなら、以下のポイントをまずおさえると理解が進みます。
・1チーム11人、2チームが勝敗を争う球技
・大きな丸い球技場でプレー
・攻守は交代制。片方のチームが攻撃(点を得る側)で、片方が守る(点を阻止する側)
・コイントスで先攻・後攻を決める
・攻撃側が全員アウト、または守備側が規定の投球数に達すると攻守交替(試合形式により対応は異なる)
・より多くスコアを取ったほうが勝ち
かなり簡単にクリケットの競技としての全体像を示すとこのとおりです。全体の流れは野球に似ています。片方が投げ、片方が打つ。そして規定のタイミングで攻守交代します。ただし野球のように9回までイニングが続くわけではありません。長い試合形式で2回の表裏まで。短いものは1回の表裏で終わります。それでも数時間~1日、それ以上かかります。なぜなら、攻守交替のルールが野球と全く異なるためです。
攻守交替のタイミングの違いと試合形式
クリケットでは、打者全員がアウトになって攻守が入れ替わります。そしてまた、打者は2人ペアでフィールドに出ます。そのため11人中10人がアウトになるとそれ以上ペアにならないため、10アウトが基本的な攻守交代のタイミングとなります。
もう1つ投手側にもルールがあり、投手は6球ごとに次の投手と交代しなければなりません(6球を1オーバーと言います)。このオーバー数の制限の有無によって、試合形式がいくつかに分かれています。例えばワールドカップで採用される形式は50オーバー(50x6=300球)制で、300球に達した時点で、打者側が10アウトになっていなくても攻守交替します。一方で伝統的なテストマッチには、このオーバー制限がありません。だから10アウトになるまで片方の攻撃(得点チャンス)は続き、途中が300対0点というような得点の状況も珍しくありません。
主な試合形式は以下の3つがあります。
ワンデイ・インターナショナル(ODI)
ワールドカップ等の国際大会で採用されているルール。50オーバー(6x50=300球)の1イニング制。1試合は数時間~半日程度。
テストマッチ(Test Match)
最も伝統的な国別対抗戦のルール。球数無制限の2イニング制。1試合が最長5日間。
トゥエンティトゥエンティ(Twenty20)
IPLなどで採用されている短時間で決着がつく形式。20オーバー(6x20=120球)の1イニング制。1試合は数時間。
試合の流れ
上記の試合形式を理解しておけば、あとは具体的にどのように試合が進行するのか?どんな行為が得点になるのか?どんな行為がアウトになるのか?を把握すれば、十分にクリケットの観戦とクリケットベッティングを楽しめるでしょう。ルールは非常に細かいため、ここでは最も重要なピッチ周辺部分のことのみを解説します。
・フィールド中央の縦長のエリアをピッチという
・ピッチの両端にはウィケット(Wicket)という杭が刺さっている
・それぞれのウィケットの前に打者が1人ずつ、2人がピッチに立つ(バッツマンという)
・第1打者をストライカー、第2打者をノンストライカーという
・ボウラーは片方のウィケット側に立ち、ストライカー側にボールを投げる
・第1打者がアウトになるとピッチを去り、第2打者がストライカーに、第3打者がノンストライカーに
・ボウラーは6球投げると次のボウラーに交代
ボウラーの目的はアウトを取ることです。バッツマンがアウトになるのは10通りのパターンがあり、主なものは「ボウラーの投げたボールで直接ウィケットを倒す」「バッツマンが打ったボールを守備がノーバウンドでキャッチ」「バッツマンが打ったボールが送球でフォールダー(捕手)に戻され、ウィケットを倒す」などがあります。つまり、ボウラーの目的はアウトをとることですが、直接的な一番の目的は、ボールを投げてウィケットを倒すことにあります。
一方でバッツマンは、ウィケットを倒されないよう防ぎながら得点するのが目的です。ボウラーの投げたボールが自身の後ろに立つウィケットに当たらないよう、バットで防ぐか打ち返します。打ち返した球が守備のあいだを抜けて遠くまで転がったときが得点のチャンスで、もう1人のバッツマンとウィケット間を往復します。お互いが反対のウィケットまで走ると1点、往復で2点、さらに反対へ走ると3点…、と加算されていきます。返球の具合を見て、アウトにならないように止まります。打ち返した球がバウンダリー(フィールドの境界)を越えてボールを飛ばすと6点、ゴロで越えると4点が入ります。
クリケットはフィールドの360度どこへ飛んでも有効打であり、野球のようにファールの概念はありません。ウィケットを守り続けてアウトにならない限り、見送りは何度でも自由です。打球の距離に対して走るか否かは、2人のバッツマンの判断次第となります。
ブックメーカーで賭けられる主なクリケットのリーグや大会

ブックメーカーでは、冒頭で挙げたイギリス、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカ、インド、パキスタン、バングラディッシュ等のリーグ戦およびカップ戦、そして国際大会に賭けることができます。具体的にはイギリスのイングランドとウェールズのチームによるリーグ戦であるトゥエンティ・トゥエンティ・ブラスト(T20 Blast)、そしてカウンティ・チャンピオンシップ(County Championship)の1部と2部リーグ、カップ戦のワンデイ・カップ(One Day Cup)、インドのプレミアリーグ(India Premier League)、ランジ・トロフィー(Ranji Trophy)、オーストラリアのビッグ・バッシュ・リーグ(Big Bash League)、ワンデイ・カップ、シェフィールド・シールドなどがあります。
国際大会は、ICCクリケットワールドカップ、ICCチャンピオンズトロフィー、ICCワールドトゥエンティ20、イギリスとオーストラリアの代表チームによる対戦のジ・アッシズ(The Ashes)、他の国別のテストマッチ(伝統的な国別対抗戦)ももちろん賭けの対象となります。
ブックメーカーが提供するクリケットの主なオッズ
クリケットのベッティングオッズは、他のスポーツと同じく「リーグや大会全体が対象」「試合ごとが対象」「インプレーオッズ(試合中の賭け)」に分けられます。また、国別対抗戦のテストマッチはさらに専用の賭け方があります。
リーグ戦や大会全体が対象のオッズ
リーグ・大会全体が予想の対象となるものでは、他のスポーツと同じく優勝予想が最も一般的です。あなたが賭けたチームが優勝すれば、賭けた時点のオッズで払戻しを受け取ることができます。カップ戦や国際大会なら、決勝に進む2チームを予想するザ・ファイナリスト(The Finalists)という賭けもあります。
リーグ・大会全体が対象のタイプの賭けには、個人単位のオッズもあります。シーズン最多得点のバッツマン予想、1試合における最多得点者予想、これら同様にボウラー対象の賭けもあります。
大会全体が対象のオッズ例
下記はICCチャンピオンズトロフィーの大会全体を対象とするオッズ例です。
To Win Outright
優勝予想。
Group Betting
グループステージの、各グループの1位予想。
Top Batsman
大会全体で最も成績が良かったバッツマン予想。
Top Bowler
大会全体で最も成績が良かったボウラー予想。
Top Team Batsman
チームごとの最も成績が良かったバッツマン予想。
Top Team Bowler
チームごとの最も成績が良かったボウラー予想。
Name the Finalists
決勝の対戦カード(2チームの組み合わせ)予想。
Team with Highest Innings Score
1イニングで最も多く得点するチームの予想。
Player of the Tournament
大会の最優秀選手予想。
To Reach the Final
決勝に進むかどうか、YesかNoかの2択で予想する賭け。
大会全体に対する賭けでは、William Hillには「敗退ステージ」というオッズもあります。
これは、そのチームの成績(どの時点で大会から消えるか)を予想するもので、グループステージ敗退、準決勝敗退、準優勝、優勝などの選択肢があります。(優勝の選択肢は、実質的には優勝予想オッズと同じです)
シリーズが対象のオッズ
国別対抗戦のテストマッチは、1試合が最長5日間もかかるクリケットの最も伝統的な試合形式で行われます。テストマッチは1つの対戦カードが1~2週間おきに数試合行われ(例えばイングランド代表vsオーストラリア代表のThe Ashesは5試合)、この期間をシリーズと呼びます。シリーズに対しては、通算成績が何勝何敗かを予想するオッズ(例えばThe Ashesなら、イングランド3勝、オーストラリア2勝の3-2に賭ける、というような)、それぞれの最多得点バッツマンの予想などがあります。
各試合ごとのオッズ
試合ごとのオッズは、勝敗が対象、スコアが対象、選手の成績が対象に分けられ、それぞれ多様な賭け方があります。勝敗の最も基本的な賭けは、勝つか負けるかの2択による予想です。スコアに関しては、合計得点を予想するもの、チーム単位で予想するもの、イニング単位で予想するものなどがあります。試合中に100点を超えるか?(Century To Be Scored?)というオッズもあり、スコアが動きやすいクリケットならではの賭け方とも言えます。
各試合ごとに賭けられるオッズ例
To Win the Match
どちらのチームが勝つかを予想する2択の賭け方です。
To Win the Toss
試合前に先攻・後攻を決めるコイントスにどちらのチームが勝つか予想する賭け。
Top Team Batsman
チームごとの最多得点バッツマン予想。
Top Team Bowler
チームごとの最も成績が良かった(アウトを取った)
Player Performance
プレイヤーごとの得点数を予想する賭け。
Man of the Match
その名のとおり、マンオブザマッチに選ばれる選手を予想する賭け。
Total Runs in Match
試合中の両チーム合計の総得点数が、ブックメーカー側が設定した数値を上回るか下回るかの2択で予想する賭け。
1st Innings Score
第1イニングの得点数を予想する賭け。
1st Over Total Runs
第1オーバー(1人目のボウラー投球時)に動く得点数を予想する賭け。
Highest Individual Score
最も得点する打者の得点数が、設定された数値を上回るか下回るかの2択で予想する賭け。
Race to Ten Runs
どのバッツマンが最初に10得点するかを予想する賭け。
Match Handicap
ウィケット数とラン数(得点数)の両方にハンディキャップが設定され、そのハンデを試合終了時の成績に足し引きして勝敗を決める賭け。
Highest Opening Partnership
どちらのチームの最初のバッツマンが、より多く得点するかを予想する賭け。(引分けの選択肢もあるので3択)
ブックメーカーのクリケットへの賭けまとめ
クリケットは世界的に人気があるスポーツであり、ブックメーカーにおけるオッズの取扱いも豊富です。ワールドカップをはじめとする国際大会、IPLやT20ブラスト、ビックバッシュなどの各国リーグ戦、いくつもの賭けの対象があります。クリケットは一試合あたりの競技時間が長いため、特にインプレーベッティングでは、例えば「現ボウラー中に打者が何点取るか?」のような、わずか数分ほどで決着がついて払戻される賭けを、何度も何度も長時間楽しめることが魅力でもあります。