このページでは、タイトルの通りブックメーカーのオッズを確率に換算するための計算機を設置しています。そしてさらにその計算結果に基づく適正オッズも添えました。
オッズを擬似的な確率(勝率)へ変換する計算機
計算機の特徴と使い方
この計算機はブックメーカーで賭けられる2択タイプと3択タイプのオッズを比率に変換できます。
2択タイプのオッズとは、一般的な試合の勝敗予想やスコアのOver/Under(●点以上か以下か)、ハンディキャップ付きの予想、両チームともゴールするかの"はい"と"いいえ"のような、条件が相反するオッズです。
(2択オッズの例)
テニス、卓球、野球、バスケットボール、アメフトなどなんでもOK。
三択タイプとは、サッカーのホーム・ドロー・アウェイのようなオッズです。
計算機の使い方は簡単で、オッズを入力欄に打ち込むだけ。これで、その時点のオッズを百分率(パーセント)に直して表示します。
例えば上の画像の日本プロ野球のオッズ。
これは10betのもので、勝敗オッズは「オリックス2.45 / ソフトバンク1.51」となっています。
これを入力すると「38.131% / 61.869%」と出ます。
この比率は、いわば擬似的なそれぞれの勝率・その結果が起こる見込みです。つまり、この例ではオリックスの"擬似"勝率は38.131%、ソフトバンクは61.869%。(この試合は実際にソフトバンクが4-6で勝ちました)
擬似的とする理由
少し掘り下げてご説明します。
ブックメーカーのオッズは、過去の統計や直近の成績などのさまざまなデータや、プレイヤー達の賭けがちょうど両方にほどよく揃うように考慮されて決まります。この「ほどよく揃うように」という部分は、ブックメーカー側による大衆心理(そのスポーツに関心を持つ人々がどう賭けるか)をあらかじめ予測するという意味。
例えば勝敗オッズは、本質的には「どちらが勝ちそうか」よりも「プレイヤー達がどちらが勝つと予想するか、何倍にすればどのぐらい賭けるか」という心理に重きを置いて決まります。そして、オッズを発表したあとの実際の賭け金の偏りによって調整されていきます。
この計算機で得られる比率を擬似的確率(勝率)という表現にしている理由は、オッズの背景にあるプレイヤー全体の賭けの偏り=その結果が起こると多くが予想している状態、その集合知がある程度正しいという仮定に基づくため。仮定を元にした、勝率に近いものとして使える数値だからです。
なぜ正確ではないかと言うと、プレイヤー全員がデータをしっかり分析して予想を立てた上で賭けているわけではないため。予想力もプレイヤーごとに差がありますし。また、偏りを生む要因として、「地元だから応援として」「国の代表だから」あるいは「特別な選手の引退だから記念に」などのスクエアマネー(素人の賭け金)も含まれます。それらが集まりすぎると、オッズのバランスは実力の強弱や実際にその結果が起こる見込みから大きく外れていきます。
要するに、擬似勝率の正確さの度合いそのものが、オッズをピックアップしてくるブックメーカー、タイミング、対象によって違ってきます。
そのため、この計算機を使うなら素人よりもある程度経験を積んだ中〜上級者が使用するサイトのオッズを参照するほど勝率を示す精度が上がるため、プロベッター御用達のピナクル(Pinnacle)でチェックするのがベストです。
適正オッズもおまけに計算
そして、擬似的勝率に基づいた100%マーケットオッズ(フェアオッズ:適正オッズ)も自動的に出せるようにしました。
適正オッズとはブックメーカー側のマージンがゼロ(取り分がない)状態の倍率のことで、言い換えると期待値がプラマイゼロのオッズです。
擬似的勝率はどのように活用すれば良いのか?
では、ここで得られる数字をどう自分のスポーツベッティングに活かせば良いのか?
まず、娯楽としては単に「今日の試合、このチーム・この選手の勝率は約○パーセントだ」「この試合でスコアが設定値をOverする見込みは約○%」と判断する材料に使ってください。十分参考になると思います。
そしてもう1つは、自分が賭けたオッズの良し悪しの判定に使えます。
当サイト内のブックメーカー投資とは?のページで、スポーツベッティングは「その結果が起こりそうか?」と「オッズは妥当か?」の考察の繰り返しと書きました。
その後者の方、この計算機で得られる擬似的勝率と適正オッズは「自分が賭けたオッズが妥当かどうか」のチェックに役立ちます。
まず、ピナクルの締め切り時点のオッズを、様々なデータやプレイヤー達の集合知が反映された、見込みを示す信頼性の高いものと仮定します。
一般的なサッカーの勝敗オッズを例にすると、オッズが用意された直後は試合に対する情報がまだ少ないため、その倍率はデータを反映したプレーンなものと言えます。そこから、主力選手の欠場が発表されたり、スタジアムの天候がわかったり、さらに試合直前にはスタメンが発表されるなど生の情報量が増えてくにつれて賭けが動き、オッズも動きます。つまり、予想に必要な情報がもっとも多いのが試合直前、賭けの締め切り時点。
よって、ピナクルを使用する多くのシャープベッター(熟練プレイヤー)の賭けが蓄積・反映された最終的なオッズに基づいて計算された擬似的勝率も、実際の確率に近いものと仮定できます。(事実、ピナクルのオッズから計算される確率は長期的に見るとかなり正確です)
この前提を踏まえた上で、例えば自分が前もって賭けたオッズが擬似勝率に基づく適正オッズを下回っている場合、期待値がマイナスのオッズに賭けたことになります。
反対に、適正オッズを超えている場合は期待値がプラスです。最終的なオッズよりも良い倍率で賭けられたというのは、単純に言えば「読みが正しかった」ということ。
例えば、ピナクルにてあるサッカーの勝敗予想オッズが
ホーム 2.3倍
ドロー 3.4倍
アウェイ 3倍
のときにホームの2.3倍に賭けたとしましょう。
そのあとにアウェイの主力選手の欠場が発表されて、最終的に
ホーム 1.9倍
ドロー 3.6倍
アウェイ 3.35倍
に落ち着いたとします。
結果として自分は1.9倍よりも0.4倍良いオッズを掴んでいます。このような、賭けたあとに勝敗を左右する要素が発表されてオッズが下がるのはよくある話です。しかしもちろん、ブックメーカーの賭けは自分が賭けた時点のオッズが保証されているため、あとからどれだけ動こうと関係ありません。
話を戻してこの締切時点のオッズに基づく擬似勝率を計算すると「47.734% / 25.193% / 27.073%」です。ホームの勝率が47.7%。そして、この勝率に対しホームの適正オッズは2.095倍と出ます。
自分が賭けた2.3倍は適正オッズを超えていますよね。
ピナクルのオッズ(が潜在的に示している見込み)を信頼するという前提ありきの話ですが、単に「倍率が良い」というより「確率に対して良いオッズをつかむ」ことが、スポーツベッティングで長期的に勝つためには非常に重要なポイントとなります。
なぜか?この点については少し長くなってしまうため詳しくは別で解説します。
とりあえず、今後は試合前のオッズに賭けたなら締切時点に改めてそのオッズをチェックしてみてください。その際、自分が賭けたオッズよりも最終的な倍率が下がっていれば、あなたは「良いチャンスを拾えた」と言えます。実際に的中するか否かは別として。
単なる計算機というよりも、オッズについて深く考察して良いプレイヤーになるためのツールとして活用できるかと思います。プレーのお供にいつでもお役立てください。